入学試験の3日前の家庭教師最後の日に、紗耶香ちゃんは先生のおかげで成績が良くなって、良い高校を受験できるようになったけど、とても心配だと言ってきた。
「紗耶香ちゃんは、100%覚えていないから、できてないから、心配だと思うけど、80%までしかできていなくても、試験当日に100%の力を出せば、80点とれる。例え100%できていても、当日60%の力しか出せないと60点しかとれない。どちらが上位に行くかは考えれば分かると思う。当日100%の力が出せるように、体調を万全にして、緊張しないで、自信を持って、望むことが大事だよ」
紗耶香ちゃんは「先生の言う意味がよく分かった。100%の力が出せるように頑張る。これで安心して受験できる」と言った。
結果、紗耶香ちゃんは見事に志望の高校に合格した。合格を聞いてほっとして家を訪ねた。そして合格祝いにちょっと高級な電子辞書をプレゼントした。紗耶香ちゃんはとても喜んで、大事にして勉強に使うと言ってくれた。
紗耶香ちゃんが自分の部屋に来てほしいというので、母親の許可を得て部屋に行った。すると、紗耶香ちゃんが真面目な顔をして話し始めた。
「先生、本当にありがとう。あの時、100%の力を出せばよいと言われて、その言葉を信じて、受験したら合格できました。ありがとうございました」
「本当に合格おめでとう。ほっとしたよ。僕もこれで思い残すことなく就職できる」
「それから、これでお別れだからどうしても言っておきたいお願いがあるけど、聞いてもらえますか?」
「いいよ、なんでも」
「紗耶香が大人になったら、先生のお嫁さんにしてください。お願いします」
紗耶香ちゃんが頭を下げる。
「ええ……、うーん」
「だめ?」
「いいよ。紗耶香ちゃんが、大人になって、好きな人ができなくて、まだ、僕のお嫁さんになりたいと思っていたなら」
「先生、本当? 約束して」
「いいよ、約束する。紗耶香ちゃんのような可愛いお嫁さんがほしいと思っているから」
「うれしい」
紗耶香ちゃんは満足した様子であった。
紗耶香ちゃんと下に降りていくと、母親がいろいろ話をしてくれた。紗耶香は身体があまり丈夫でなく、塾に通わせるのは負担が大きいと、家庭教師をつけることにしたとか。合田さんが家庭教師としては3人目で、前の2人も男子学生であったとか。
一人目は医学部の学生で、教え方が難しいうえに厳しくて紗耶香ちゃんが音を上げたそうだ。
堅物に懲りて、2人目はやさしそうな人物にしたら、教えかたはやさしかったそうだけど、紗耶香ちゃんの肩に手をのせたり、身体に触れたりするので、紗耶香ちゃんが嫌がって断ったとか。
合田さんはまじめで教え方も上手で、紗耶香が勉強にやる気を出したのでとても良かったと言われた。おかげでよい高校へ入学できたと喜んでいた。
そして、紗耶香ちゃんと母親、それにあの小さな猫が丁寧に見送ってくれた。可愛い紗耶香ちゃんとお別れとなると少し寂しい。ただ、紗耶香ちゃんから「大人になったらお嫁さんにしてほしい」と聞いた時は、少女の感傷だとは思ったが嬉しかった。その時の紗耶香ちゃんの言葉が心に残った。
そしてその晩にも同じ夢をみた。誰かを呼んでいる。遠くの人影が振り向くが誰だか分からない。急いで近づこうとするが足が動かない。そのうちに段々人影が遠ざかるそんな夢だった。
「紗耶香ちゃんは、100%覚えていないから、できてないから、心配だと思うけど、80%までしかできていなくても、試験当日に100%の力を出せば、80点とれる。例え100%できていても、当日60%の力しか出せないと60点しかとれない。どちらが上位に行くかは考えれば分かると思う。当日100%の力が出せるように、体調を万全にして、緊張しないで、自信を持って、望むことが大事だよ」
紗耶香ちゃんは「先生の言う意味がよく分かった。100%の力が出せるように頑張る。これで安心して受験できる」と言った。
結果、紗耶香ちゃんは見事に志望の高校に合格した。合格を聞いてほっとして家を訪ねた。そして合格祝いにちょっと高級な電子辞書をプレゼントした。紗耶香ちゃんはとても喜んで、大事にして勉強に使うと言ってくれた。
紗耶香ちゃんが自分の部屋に来てほしいというので、母親の許可を得て部屋に行った。すると、紗耶香ちゃんが真面目な顔をして話し始めた。
「先生、本当にありがとう。あの時、100%の力を出せばよいと言われて、その言葉を信じて、受験したら合格できました。ありがとうございました」
「本当に合格おめでとう。ほっとしたよ。僕もこれで思い残すことなく就職できる」
「それから、これでお別れだからどうしても言っておきたいお願いがあるけど、聞いてもらえますか?」
「いいよ、なんでも」
「紗耶香が大人になったら、先生のお嫁さんにしてください。お願いします」
紗耶香ちゃんが頭を下げる。
「ええ……、うーん」
「だめ?」
「いいよ。紗耶香ちゃんが、大人になって、好きな人ができなくて、まだ、僕のお嫁さんになりたいと思っていたなら」
「先生、本当? 約束して」
「いいよ、約束する。紗耶香ちゃんのような可愛いお嫁さんがほしいと思っているから」
「うれしい」
紗耶香ちゃんは満足した様子であった。
紗耶香ちゃんと下に降りていくと、母親がいろいろ話をしてくれた。紗耶香は身体があまり丈夫でなく、塾に通わせるのは負担が大きいと、家庭教師をつけることにしたとか。合田さんが家庭教師としては3人目で、前の2人も男子学生であったとか。
一人目は医学部の学生で、教え方が難しいうえに厳しくて紗耶香ちゃんが音を上げたそうだ。
堅物に懲りて、2人目はやさしそうな人物にしたら、教えかたはやさしかったそうだけど、紗耶香ちゃんの肩に手をのせたり、身体に触れたりするので、紗耶香ちゃんが嫌がって断ったとか。
合田さんはまじめで教え方も上手で、紗耶香が勉強にやる気を出したのでとても良かったと言われた。おかげでよい高校へ入学できたと喜んでいた。
そして、紗耶香ちゃんと母親、それにあの小さな猫が丁寧に見送ってくれた。可愛い紗耶香ちゃんとお別れとなると少し寂しい。ただ、紗耶香ちゃんから「大人になったらお嫁さんにしてほしい」と聞いた時は、少女の感傷だとは思ったが嬉しかった。その時の紗耶香ちゃんの言葉が心に残った。
そしてその晩にも同じ夢をみた。誰かを呼んでいる。遠くの人影が振り向くが誰だか分からない。急いで近づこうとするが足が動かない。そのうちに段々人影が遠ざかるそんな夢だった。