発熱してから3日もすると紗耶香はすっかり元気になった。夕食の後、ソファーにいると、紗耶香が「生理終わった」と嬉しそうに報告に来た。明日は休日なので、ゆっくりと紗耶香を可愛がってやれる。
紗耶香が嬉しそうに抱きついてくる。紗耶香とはまだ3回くらいしか交わっていなかったが、痛みは治まってきていた。今日は最後まで続けるつもりでいる。いつものように胡坐の中に座らせて後ろから抱きしめることから始める。
この日、紗耶香は初めて絶頂に昇りつめたみたいだった。僕も初めて思いを遂げることができた。
突然「恥ずかしい」と言って紗耶香の華奢な身体の力が抜けるのが分かった。「どうしたの」と覗き込むと「分かんない」と小さな声。
紗耶香はもうぐったりして動かない。そして抱き締められたまま眠りに落ちて行った。
夢を見ていた。紗耶香が僕の腕の中から引き離されていく。必死で紗耶香の手を掴んで「紗耶香」と叫んでいる。
「はい」と言う声で目が覚めた。紗耶香が手を掴んで僕を見ている。抱き締めて寝たはずなのに紗耶香はベッドの端で寝ていた。引き寄せて抱き締めてキスをする。紗耶香は応えてくれた。すぐに二人は愛し合って、そのまま果てて眠った。
また、夢を見た。そこがどこかはわからない。紗耶香と愛し合っている。座った僕が紗耶香を脚の間に入れて抱きしめている。紗耶香もしがみ付いている。二人はすごく嬉しそう。快感が二人を突き抜けた。
その快感で目が覚めた。紗耶香は抱きついているが、安らかな満ち足りた顔をして眠ったままで動かない。不思議な夢に思いを巡らせていると、また眠りに落ちた。
「もう起きてください」の声で目が覚めた。紗耶香はすでに着替えている。しまった、眠っている間に紗耶香が先に起きてしまった。今日は休みなのに!
「お腹が空いて目が覚めたの。朝ごはん食べましょう」という。紗耶香はいつもと違ってすごく元気活発だ。折角の休みだから早起きして散歩しようという。
「紗耶香、どうしたんだ? 早く起き過ぎるぞ! 今日は休日だから、ゆっくり寝ていたい」と言っても、散歩に行こうと聞かない。
しぶしぶ起きて朝食を摂る。紗耶香はいつもより食欲があるみたい。テーブルにトースト、ハムエッグ、サラダ、ポタージュスープ、フルーツの盛り合わせが準備されていた。二人でそれを平らげたが、半分は紗耶香が食べた。
「食欲があるね」
「すごくお腹がすいたの。でも食べ過ぎると太るのが心配」
「だったら、運動したらいいよ。はじめは散歩」
「だから、散歩しよう」
「分かった、散歩に行こう。それに、腕立て伏せと腹筋をやればいい、いつでもどこでもできるから」
「そうする」
「それに運動ならジョギングをするといい。多摩川に遊歩道があるだろう」
「じゃあ、散歩は多摩川の遊歩道に連れてって下さい」
朝食後、二人で部屋を掃除してから、手をつないで、多摩川の遊歩道に出かけた。
「東京にもこんな遊歩道があるんだ。ずっとここに住んでいたのに気が付かなかったわ。家からも近いのでジョギングに丁度いいわ」
もう、ジョギングをする気になっている。
「それはよかった。でも無理しないで」
「分かっています」
「ところで、昨晩のことだけど。もう少し時間がかかると思っていたけど、紗耶香はいったんだよね?」
「恥ずかしかった。はじめは気持ちよくて、頭の中が真っ白になって、身体に電気が走ったみたいになって、力が抜けて、その繰り返し。訳が分からなくなって、あとは覚えていません。そのまま眠ったみたいです。でも夢を見たの。あれは夢だと思う」
「どんな夢?」
「どこか知らないところで、私たち二人が抱き合っているの。とても優しく抱いてくれてうれしかった。二人が一つになって、その快感で私は気を失ったの。ふと目覚めると、昌弘さんが私を抱いて眠っていたので、うれしくなってしがみついて、そのまま、また眠ってしまって。朝とてもお腹がすいて目が覚めたの。目覚めた時、気持ちがとても明るくなって、身体になんというか力が満ちてくるというか、そんな感じがしたの」
「不思議なことだけど、僕も同じような夢を見たんだ。どこか知らないところで紗耶香と愛し合っている夢だ。快感が二人を突き抜けた。きっと同じ夢だ」
「二人が同じ夢を見ていたなんて素敵、うれしい」と手を握ってくる。
父親が前住職から聞いたという姫君の話は本当にあったことに違いない。紗耶香は悲運の姫君の、僕は許婚の生まれ変わりだったのかもしれない。
夢の中で二人の魂が愛し合ってひとつになることができたんだ。きっとそうだ。紗耶香が生気のスイッチが入ったみたいに元気活発になったから。
姫の生まれ変わりの紗耶香が21歳に死ぬという呪いが解けたのかもしれない。それなら本当に良いのだが。でも、今はこのことを紗耶香に話すのはやめようと思った。
せっかくなので、足を延ばして、二子橋を渡って二子玉川へショッピングに行った。紗耶香にジョギング用のトレーナーとシューズを買ってプレゼントした。
紗耶香は歩いて帰ろうと言ったが、僕の方が少し疲れたので高津駅まで電車で帰った。駅から歩いて、途中コンビニで買い物をしてマンションへ戻った。紗耶香は少しも疲れを見せなかった。
紗耶香が嬉しそうに抱きついてくる。紗耶香とはまだ3回くらいしか交わっていなかったが、痛みは治まってきていた。今日は最後まで続けるつもりでいる。いつものように胡坐の中に座らせて後ろから抱きしめることから始める。
この日、紗耶香は初めて絶頂に昇りつめたみたいだった。僕も初めて思いを遂げることができた。
突然「恥ずかしい」と言って紗耶香の華奢な身体の力が抜けるのが分かった。「どうしたの」と覗き込むと「分かんない」と小さな声。
紗耶香はもうぐったりして動かない。そして抱き締められたまま眠りに落ちて行った。
夢を見ていた。紗耶香が僕の腕の中から引き離されていく。必死で紗耶香の手を掴んで「紗耶香」と叫んでいる。
「はい」と言う声で目が覚めた。紗耶香が手を掴んで僕を見ている。抱き締めて寝たはずなのに紗耶香はベッドの端で寝ていた。引き寄せて抱き締めてキスをする。紗耶香は応えてくれた。すぐに二人は愛し合って、そのまま果てて眠った。
また、夢を見た。そこがどこかはわからない。紗耶香と愛し合っている。座った僕が紗耶香を脚の間に入れて抱きしめている。紗耶香もしがみ付いている。二人はすごく嬉しそう。快感が二人を突き抜けた。
その快感で目が覚めた。紗耶香は抱きついているが、安らかな満ち足りた顔をして眠ったままで動かない。不思議な夢に思いを巡らせていると、また眠りに落ちた。
「もう起きてください」の声で目が覚めた。紗耶香はすでに着替えている。しまった、眠っている間に紗耶香が先に起きてしまった。今日は休みなのに!
「お腹が空いて目が覚めたの。朝ごはん食べましょう」という。紗耶香はいつもと違ってすごく元気活発だ。折角の休みだから早起きして散歩しようという。
「紗耶香、どうしたんだ? 早く起き過ぎるぞ! 今日は休日だから、ゆっくり寝ていたい」と言っても、散歩に行こうと聞かない。
しぶしぶ起きて朝食を摂る。紗耶香はいつもより食欲があるみたい。テーブルにトースト、ハムエッグ、サラダ、ポタージュスープ、フルーツの盛り合わせが準備されていた。二人でそれを平らげたが、半分は紗耶香が食べた。
「食欲があるね」
「すごくお腹がすいたの。でも食べ過ぎると太るのが心配」
「だったら、運動したらいいよ。はじめは散歩」
「だから、散歩しよう」
「分かった、散歩に行こう。それに、腕立て伏せと腹筋をやればいい、いつでもどこでもできるから」
「そうする」
「それに運動ならジョギングをするといい。多摩川に遊歩道があるだろう」
「じゃあ、散歩は多摩川の遊歩道に連れてって下さい」
朝食後、二人で部屋を掃除してから、手をつないで、多摩川の遊歩道に出かけた。
「東京にもこんな遊歩道があるんだ。ずっとここに住んでいたのに気が付かなかったわ。家からも近いのでジョギングに丁度いいわ」
もう、ジョギングをする気になっている。
「それはよかった。でも無理しないで」
「分かっています」
「ところで、昨晩のことだけど。もう少し時間がかかると思っていたけど、紗耶香はいったんだよね?」
「恥ずかしかった。はじめは気持ちよくて、頭の中が真っ白になって、身体に電気が走ったみたいになって、力が抜けて、その繰り返し。訳が分からなくなって、あとは覚えていません。そのまま眠ったみたいです。でも夢を見たの。あれは夢だと思う」
「どんな夢?」
「どこか知らないところで、私たち二人が抱き合っているの。とても優しく抱いてくれてうれしかった。二人が一つになって、その快感で私は気を失ったの。ふと目覚めると、昌弘さんが私を抱いて眠っていたので、うれしくなってしがみついて、そのまま、また眠ってしまって。朝とてもお腹がすいて目が覚めたの。目覚めた時、気持ちがとても明るくなって、身体になんというか力が満ちてくるというか、そんな感じがしたの」
「不思議なことだけど、僕も同じような夢を見たんだ。どこか知らないところで紗耶香と愛し合っている夢だ。快感が二人を突き抜けた。きっと同じ夢だ」
「二人が同じ夢を見ていたなんて素敵、うれしい」と手を握ってくる。
父親が前住職から聞いたという姫君の話は本当にあったことに違いない。紗耶香は悲運の姫君の、僕は許婚の生まれ変わりだったのかもしれない。
夢の中で二人の魂が愛し合ってひとつになることができたんだ。きっとそうだ。紗耶香が生気のスイッチが入ったみたいに元気活発になったから。
姫の生まれ変わりの紗耶香が21歳に死ぬという呪いが解けたのかもしれない。それなら本当に良いのだが。でも、今はこのことを紗耶香に話すのはやめようと思った。
せっかくなので、足を延ばして、二子橋を渡って二子玉川へショッピングに行った。紗耶香にジョギング用のトレーナーとシューズを買ってプレゼントした。
紗耶香は歩いて帰ろうと言ったが、僕の方が少し疲れたので高津駅まで電車で帰った。駅から歩いて、途中コンビニで買い物をしてマンションへ戻った。紗耶香は少しも疲れを見せなかった。