「違う違う、そうじゃなくてさ――、直ってない? 体」

え……?

そういえば……体が軽い。

私は自分の体を見下ろして、少しだけ飛び跳ねてみた。

難なく、着地する。

うそ――!?

「直ってる!!!」

「ほら、顔も全然違う」

そう言って差し出してくる鏡をマジマジを見つめる。

本当だ!

小じわがない!!

「うそっ! なんで? どうして?」

いつもは昼まであのままなのに!!

「もう大丈夫そうだね」

その言葉に、私は顔を上げる。

幽斗君がクスリと微笑んだ。

「あ、あの、私、実はすごく得意体質で――」

しどろもどろと説明しようとしたとき、幽斗君は黙って頷いた。

「知ってる」

「え……?」

「見た瞬間、わかったから」

わか……った?

「じゃ、気をつけて」

それだけ言うと、幽斗君は教室へと戻っていった。

「へぇ~、なかなか紳士的じゃん」

咲弥が幽斗君が助けてくれたことに対して満足そうに言う。

さっきまで『あぁいうタイプ嫌い』とか言ってたくせに。

「夢花、トイレは?」

「あ、うん。行ってくる」

なんでだろう?

なんで今、直ったんだろう?

『見た瞬間、わかったから』

って、どういう意味だろう――?