☆☆☆
掃除を始めてから約20分ほど経過していた。
大きなゴミは片付け終え、やっとまともにお線香が立てれそうだった。
「ありがとう」
「いいよ、別に」
そう言って頭をガリガリかき、お線香に火をつける。
線香の匂いが香りたつと、背中にフワリとした感触があった。
暖かくて、猫の毛に似ている感触。
「ミィちゃんが喜んでる」
私が言うと、幽斗君はひとつ頷いた。
「死に、目をそらさなくていい。泣きたいだけ泣けばいい。自分の愚かさをのろってもいい。でも、必ずそこから這い上がって、同じ過ちを繰り返さず、後悔だけはするな」
幽斗君の言葉に、私はやっと、何年もたって今ようやく、ミィちゃんの死で泣く事ができた――。
掃除を始めてから約20分ほど経過していた。
大きなゴミは片付け終え、やっとまともにお線香が立てれそうだった。
「ありがとう」
「いいよ、別に」
そう言って頭をガリガリかき、お線香に火をつける。
線香の匂いが香りたつと、背中にフワリとした感触があった。
暖かくて、猫の毛に似ている感触。
「ミィちゃんが喜んでる」
私が言うと、幽斗君はひとつ頷いた。
「死に、目をそらさなくていい。泣きたいだけ泣けばいい。自分の愚かさをのろってもいい。でも、必ずそこから這い上がって、同じ過ちを繰り返さず、後悔だけはするな」
幽斗君の言葉に、私はやっと、何年もたって今ようやく、ミィちゃんの死で泣く事ができた――。