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掃除を始めてから約20分ほど経過していた。

大きなゴミは片付け終え、やっとまともにお線香が立てれそうだった。

「ありがとう」

「いいよ、別に」

そう言って頭をガリガリかき、お線香に火をつける。

線香の匂いが香りたつと、背中にフワリとした感触があった。

暖かくて、猫の毛に似ている感触。

「ミィちゃんが喜んでる」

私が言うと、幽斗君はひとつ頷いた。

「死に、目をそらさなくていい。泣きたいだけ泣けばいい。自分の愚かさをのろってもいい。でも、必ずそこから這い上がって、同じ過ちを繰り返さず、後悔だけはするな」

幽斗君の言葉に、私はやっと、何年もたって今ようやく、ミィちゃんの死で泣く事ができた――。