時折力が抜け膝から崩れ落ちそうになるのを、外の世界で私の体を抱きしめている手に支えられながら更に進んでいく。

とにかく見つけないと。

あの黒猫が待っているはずなんだ。

なにが目的かなんてわからない。

でも……。

進まなきゃ、始まらない。

☆☆☆

それから一体何分、何十分、何時間が経過したろうか?

時間の感覚はひどく曖昧で、たった10分にも思えるし何時間も暗闇をさまよっていたようにも感じられる。

そして――。

歩くその先に、青く光る一角を見つけたのだ。

「なに――?」

暗闇に慣れていた目はほんの少しの明かりで痛み、私は何度も瞬きをした。

ジンワリと溢れてくる涙をぬぐい、その光を見つめる。

青い光はユラユラと揺れ、人工的な明かりではないようだった。

私は恐る恐る足を進め、その光へ近づいていく。

ユラユラ揺れるその光は、時折丸く透明な、シャボンのような物を上へ上へと浮かびあがらせ、白い泡に似た物体を作ってははじけさせていた。

これは一体なんなの?

心の中がギュッと締め付けられるような感覚。

息が苦しくなり、私は口で呼吸を繰り返す。

一歩近づくたびに握られる心臓。

このまま近づいていけば私の心臓は破裂してしまうのではないか。

そんな不安に駆られる。

しかし、さっきまで聞こえていた猫の声がピタリと止んだ今。

この光を頼りにするほか、道はない。