☆☆☆
「そりゃぁさ、事情を知らない人が今の夢花見たら驚くのは当然」
そう言って、咲弥はポリポリとポッキーを食べた。
「そっか……」
いつもよりもうんと老けていることをすっかり忘れていた。
それなら幽斗君の驚いた顔も充分に理解できる。
顔になにかついている。
なんてレベルじゃないもんね。
「それにしてもさ、新入生暗いよね」
そっと、私に耳打ちする。
うん。
私も思った。
「まぁ、新しい学校に自分だけ遅れて入学だもんねぇ、仕方ないとも思うけど……」
そう言いながら、私はそっと幽斗くんの方を見る。
彼の前には雪斗君が立っていて色々とはなしかけているけれど、幽斗君の方は全く返事をせずただ俯いていた。
「アレはちょっとねぇ? 男子少ないから雪斗君がせっかく話しかけてるのに」
あれじゃ印象は悪くなる一方だ。
「私、ああいうタイプ嫌い」
咲弥はスバリ言ってのけ、またポッキーを口に含んだ。
「咲弥は食べすぎ、また太るよ」
「大丈夫、私の場合食べたもの全部乳につくから」
そう言って豪快に笑い、自慢のFカップを揺さぶって見せた。
「あぁ、そうでしたねぇ」
ごくごく普通サイズの私にとっては嫌味にしか取れない。
というか、完璧嫌味なんだろうけど。
「ちょっとトイレ」
そう言って、「よっこらせ」と立ち上がる。
本当に、なんとかならないの?
この体!
まだ若いハズなのに、ご老人の苦労や苛立ちが痛いほどに理解できる。
「大丈夫?」
咲弥に手をかりながら、やっとの思いで教室を出る。
「そりゃぁさ、事情を知らない人が今の夢花見たら驚くのは当然」
そう言って、咲弥はポリポリとポッキーを食べた。
「そっか……」
いつもよりもうんと老けていることをすっかり忘れていた。
それなら幽斗君の驚いた顔も充分に理解できる。
顔になにかついている。
なんてレベルじゃないもんね。
「それにしてもさ、新入生暗いよね」
そっと、私に耳打ちする。
うん。
私も思った。
「まぁ、新しい学校に自分だけ遅れて入学だもんねぇ、仕方ないとも思うけど……」
そう言いながら、私はそっと幽斗くんの方を見る。
彼の前には雪斗君が立っていて色々とはなしかけているけれど、幽斗君の方は全く返事をせずただ俯いていた。
「アレはちょっとねぇ? 男子少ないから雪斗君がせっかく話しかけてるのに」
あれじゃ印象は悪くなる一方だ。
「私、ああいうタイプ嫌い」
咲弥はスバリ言ってのけ、またポッキーを口に含んだ。
「咲弥は食べすぎ、また太るよ」
「大丈夫、私の場合食べたもの全部乳につくから」
そう言って豪快に笑い、自慢のFカップを揺さぶって見せた。
「あぁ、そうでしたねぇ」
ごくごく普通サイズの私にとっては嫌味にしか取れない。
というか、完璧嫌味なんだろうけど。
「ちょっとトイレ」
そう言って、「よっこらせ」と立ち上がる。
本当に、なんとかならないの?
この体!
まだ若いハズなのに、ご老人の苦労や苛立ちが痛いほどに理解できる。
「大丈夫?」
咲弥に手をかりながら、やっとの思いで教室を出る。