「はい」

先生の言葉に一言だけ返事をする。

なんか、おとなしい子だな。

そう思い、橘幽斗君の顔を見る。

その瞬間――目が会った。

え?

気のせい?

目をパチクリさせる私。

心なしか、幽斗君が一瞬驚いた顔をした気がした。

私、顔になんかついてる?

そっと自分も顔に触れてみる。

別に、変な場所はない。

もう一度幽斗君を見ると、彼はもう私を見てはいなかった……。