「ほんの少しの間でいい。騙されたと思って、夢花を俺に預けてくれませんか?」

「夢花を、あなたに――?」

明らかに怪訝そうな表情をするお母さん。

突然すぎるから、無理もない。

ここは私からキチンと説明しなきゃいけない。

そう思い口を開いた瞬間――。

「えぇ。どうぞ」

お母さんはいとも簡単にアッサリと了解してしまったのだ。

驚きでアングリと口を開く私を残し、さっさと話を終えてしまう2人。

ほ……本気なの!?

「じゃぁ、荷物は明日学校帰りに取りに来ます」

「えぇ。夢花をお願いしますね」

まるで、友達の家に泊まりに行くような感覚で手を振るお母さん。

ちょっと、どうなってんの!?

困惑する私の手をとり、さっさと家を出る幽斗君。

「し……信じられないっ!」

思わずそう言うと、幽斗君はニッと白い歯を除かせて笑った。

「当たり前だろ。あんな簡単に了承する親なんていない」

「でも、お母さんは――!」

「違う」

違う……?

私は首を傾げて幽斗君を見る。

「俺は霊を取り除く事もできるが、それと逆に霊をとり憑かせる事もできる」

とり憑かせる――?