あ……。

そういえば、そうだよね。

「私の事、探してくれたの?」

「いや、偶然見えたんだ。家が近いから」

家……?

「幽斗君の家って……?」

「あぁ。寺の隣にあるのもそうだけど、この近くにももう一件あるんだ。俺は主にこっちに住んでる」

そうだったんだ……。

幽斗君は霊感があるんだもんね。

お寺にいるよりも、こっちに住んでた方が楽なのかもしれない。

「よかった……幽斗君がいてくれて……」

そう呟き、肩に頭をもたげる。

「夢花……」

幽斗君が、強く抱きしめてくれる。

それだけで、今までの恐怖なんか吹き飛んでしまいそうだ。

「でも、心配だ」

「へ?」

「徐々に霊の力が強くなってるんだ。この先なにが起こるかわからない。俺だって、いつでも助けてやれるとは限らない」

真剣な表情に幽斗君に、ドキッとする。

こんな時に、不純かな?

カッコイイ、なんて思って見惚れちゃうの。

「夢花、真剣に聞いてるか?」

「あ、うん。わかってる」

「なぁ、夢花」

「え?」

「お前が嫌じゃなかったら、なんだけど」