「大丈夫だよ」

私は、両手でそっと幽斗君の顔を包み込む。

「助けてくれて、すごく嬉しかった。それに――」

幽斗君の頬に、軽くキスをする。

「友達だって、もうできてるじゃない」

「え?」

「咲弥。咲弥は、幽斗君の力を話しても『気持ち悪い』なんていわなかったでしょ?」

そう言うと、幽斗君は少し間をおいてから、何度も頷いた。

子供みたいに顔を赤らめ、それを片手で隠しながら。

「雪斗君とも、きっと仲良くなれるよ」

「……うん」

学校ではあんなに強引なことを言っていた幽斗君が、素直に頷いた――。