まだ、夢のようだ。

頭がポワンとして、掃除が身に入らない。

「今日の夢花キモイ」

人がうっとりと目を細めていると、咲弥が顔をしかめて一言言った。

失礼ねっ!

「保健室から戻ってきたかと思えば、ゆるぅい顔でヨダレたらしてるんだもん」

「ヨダレなんかたらしてないっ!!」

怒ると楽しそうな声で笑う。

まぁいいや。

今の私は幸せの絶頂。

少しくらいは許してやろう。

「あれ? 今日はホウキ振り回して怒らないんだ?」

「そんな野蛮な事してたっけ?」

と、そ知らぬ顔をする。

なんていったって、初カレ、初キスに初除霊まで体験した身。

イチイチ本気で怒るほどガキじゃない。

そう思って一人でニヤニヤと笑っていると、「やっぱ、キモ」と舌を出された。

クルリと向きを変えた瞬間。

咲弥の大きなバストが揺れる。

……。

思わず、ジッと見てしまう大きさ。

やっぱり、男の子って大きい方が好きなのかな?

なんて考えて、自分の胸を見下ろしてみる。

ギリギリBカップの小さな胸。

15歳なんだから、まだまだこれから大きくなるとは思うけど……。