なにしてるの、私!

「そ……だよねっ! 今度お香買って来るねっ!」

パッと幽斗君から離れ、テレ笑いを見せる。

私のバカ。

心臓、うるさい!!

「それは無理だ」

「へ……?」

「この香はフランスのもの。日本では手に入れることは出来ない。ネットでも探してみたが、マイナーすぎて見つけられなかった」

は――?

「じゃぁ、私はどうすれば……?」

「決まってるだろ」

そう言い、幽斗君は私の体を抱きしめた。

大きくて、暖かい。

2度抱きしめられているのに、今更そんな事に気づいた。

「俺が治してやる。何度でも」

「幽斗君……」

トクン。

トクン。

トクン。

心臓が、張り裂けそう――。

「夢花」

幽斗君の心地いい声。

うっとりと目をとじた、その瞬間。

私の唇に、フワリとやわらかいものが押し当てられていた。

え……?

驚き、目を見開く。

でも、声は出ない。

だって……私の口は、幽斗君の唇が塞いでいるから――。

「俺から離れるなよ。ずっと、一緒にいろ」

幽斗君の囁きが、胸の奥の方で響いていた――。