そっか。
そうだったんだ……。
「で、一応写真を撮って憑いてるかどうか確かめたってワケ」
なるほど。
だからあの時私を呼んだんだ。
「私にはなにが憑いてるの? それって消す事ができないの?」
「ついてるのは動物霊、主に猫だな。消すのは無理。でも、一時だけお前の体を軽くしてやることはできる。それがHugだけどな」
猫の……霊……。
私は毎回毎回見る夢を思い出す。
猫の鳴き声。
猫の呼ぶ声。
引きずられていきそうになる、私。
「今も……」
ゴクリ、と唾を飲み込む。
「今も、私の背中に、いるの――?」
その質問に、幽斗君は黙って頷いた――。
「だから、それ以上手出しさせないために、香を炊いた」
あ……。
私は枕元に置かれたお線香を見た。
この香り、幽斗君に染み付いてる匂いと同じだ。
「お前に憑いてる動物霊はさほど強くない。お経なんかで引き離そうとすると、経の力が強すぎてお前自身に負担がかかってしまうんだ」
「だから、テレビなんかで見る除霊はできないの?」
「そういう事。今はこうして香を炊いたり、俺が抱きしめてやるくらいしか、お前を楽にする方法はない」
そうなんだ――。
私はそっと、幽斗君の胸に触れた。
分厚くて、硬い。
「どうせなら……」
どうせなら、私、こっちがいい。
お線香をたくよりも、人の腕の中で安心したい。
「俺には香の匂いが染み付いている。だから体が軽くなるだけだ」
幽斗君の言葉に、ハッと我に返る。
そうだったんだ……。
「で、一応写真を撮って憑いてるかどうか確かめたってワケ」
なるほど。
だからあの時私を呼んだんだ。
「私にはなにが憑いてるの? それって消す事ができないの?」
「ついてるのは動物霊、主に猫だな。消すのは無理。でも、一時だけお前の体を軽くしてやることはできる。それがHugだけどな」
猫の……霊……。
私は毎回毎回見る夢を思い出す。
猫の鳴き声。
猫の呼ぶ声。
引きずられていきそうになる、私。
「今も……」
ゴクリ、と唾を飲み込む。
「今も、私の背中に、いるの――?」
その質問に、幽斗君は黙って頷いた――。
「だから、それ以上手出しさせないために、香を炊いた」
あ……。
私は枕元に置かれたお線香を見た。
この香り、幽斗君に染み付いてる匂いと同じだ。
「お前に憑いてる動物霊はさほど強くない。お経なんかで引き離そうとすると、経の力が強すぎてお前自身に負担がかかってしまうんだ」
「だから、テレビなんかで見る除霊はできないの?」
「そういう事。今はこうして香を炊いたり、俺が抱きしめてやるくらいしか、お前を楽にする方法はない」
そうなんだ――。
私はそっと、幽斗君の胸に触れた。
分厚くて、硬い。
「どうせなら……」
どうせなら、私、こっちがいい。
お線香をたくよりも、人の腕の中で安心したい。
「俺には香の匂いが染み付いている。だから体が軽くなるだけだ」
幽斗君の言葉に、ハッと我に返る。