「綺麗に写ってる」

へ――?

今の、幽斗君の言葉に私と咲弥は目を見開く。

なに?

今、なんて言った……?

「ほら、これなんか特に綺麗だ」

綺麗……?

「そ……んな。こんなブサイクに写ってるのに、綺麗だなんて……」

顔が真っ赤になる反面、嬉しさで心が躍る。

やっぱり、幽斗君は私に一目ぼれをしたのかな……。

「ブサイクだなんてとんでもない。ちゃんと見て」

そう言って、写真を指差す。

そこには――。

私の背後に写る、真っ黒な物体。

「え――……?」

「こんなに綺麗に写ってる心霊写真、始めてみた」

そう言い、目を輝かせる幽斗君。

心霊……写真……?

「夢花、やばくない?」

咲弥の顔が青ざめていく。

私の背後にクッキリとうつる、黒い影。

その影の真ん中には、白くボゥッと浮かび上がる2つの目――。

「ぎぃやぁぁぁぁぁぁ!!!」

私は白目を剥いてこの世のものとは思えない叫び声を張り上げ、恐怖で気絶してしまったのだった……。