でも、そのたびに『異常はありません』『老けてみえるのは疲れのせいでしょう』『体育で体を動かしすぎたんじゃないですか?』そんな答えしか、返ってきたことがない。
「でもさ、今度こそちゃんとわかるかもしれないし、それに……」
それに?
なに?
咲弥は私を見つめ、「おかしいよ、夢花」と、一言言った。
おかしい……?
もう何年もこの体と付き合ってきた。
それと同じくらい、咲弥とも付き合ってきた。
『おかしいよ、夢花』
その言葉を言われたのは、今日がはじめてだ――。
私は自分でも知らないうちに涙がこぼれ出していた。
「夢花? ごめん、そんなつもりじゃ――」
「咲弥が! 咲弥だけが、『おかしい』とか『変』とか、そういう好奇な目で私を見ないからっ! だから、頑張ってこれたんだよ!」
咲弥の言葉をさえぎり、怒鳴った。
私はおかしいよ。
そんなのわかってる。
ずっと前から知ってる。
なのに、なんで咲弥に言われたらこんなに悲しくて、こんなに腹が立つんだろう。
「夢花、待って!」
走り出す私を、咲弥が追いかける。
「ダメだって、そんな体で走っちゃ!」
「うるさい!!」
私は立ち止まり、咲弥の顔を見ずに言った。
「咲弥には、わからないんだよ!」
私の辛さが。
私の苦しさが。
ボロボロと涙が溢れ出す。
「でもさ、今度こそちゃんとわかるかもしれないし、それに……」
それに?
なに?
咲弥は私を見つめ、「おかしいよ、夢花」と、一言言った。
おかしい……?
もう何年もこの体と付き合ってきた。
それと同じくらい、咲弥とも付き合ってきた。
『おかしいよ、夢花』
その言葉を言われたのは、今日がはじめてだ――。
私は自分でも知らないうちに涙がこぼれ出していた。
「夢花? ごめん、そんなつもりじゃ――」
「咲弥が! 咲弥だけが、『おかしい』とか『変』とか、そういう好奇な目で私を見ないからっ! だから、頑張ってこれたんだよ!」
咲弥の言葉をさえぎり、怒鳴った。
私はおかしいよ。
そんなのわかってる。
ずっと前から知ってる。
なのに、なんで咲弥に言われたらこんなに悲しくて、こんなに腹が立つんだろう。
「夢花、待って!」
走り出す私を、咲弥が追いかける。
「ダメだって、そんな体で走っちゃ!」
「うるさい!!」
私は立ち止まり、咲弥の顔を見ずに言った。
「咲弥には、わからないんだよ!」
私の辛さが。
私の苦しさが。
ボロボロと涙が溢れ出す。