なに……?

なんなの、この感じ。

ゾクリと背筋が冷たくなる。

「夢花、いくよぉ?」

「……今、いく!!」

私は、逃げるように更衣室を出た――。

得たいの知れない気味の悪さを身にまとったまま、午後の授業は進んでいった。

教室にいると、体育館で感じたような気配はない。

気のせいだったのかな?

う~ん……。

頭を悩ませていると、「ねぇ」と、聞きなれない声に話しかけられた。

「ちょっと、いい?」

そう言ってきたのは幽斗君だ。

「へ……?」

な、なに?

今日このクラスに入ったばかりの幽斗君に呼び出される覚えは、ない。

「話しがあるんだ」

「話し……?」

まさか……。

まさかこの展開って、告白!?

しかも、このスピードだったら絶対に一目ぼれってヤツだよね!?

私のテンションは一気に最高潮へ達する。

それを見ていた咲弥が、今度はポテトチップスを頬張りながら『行って来い!』とジェスチャーする。

『ラジャ! 愛原夢花、人生初の告白を経験してきます!』

心の中で咲弥へ気合を伝え、机を立った……。