にゃぁお
どこかで猫の鳴き声がする……。
にゃぁお
どこかで、私を呼んでる……。
「夢ーっ! ゆーめーかーっ!」
自分を呼ぶ声にも反応せず、私は腰を折ってゆっくりゆっくりと歩いていく。
なんでこんなに空が青いんだ。
なんでこんなに学校が遠いんだ。
すべてにイライラするが、それを表情に出す余裕もない。
「おーいってば!!」
後ろからトンッと背中を叩かれた拍子に、私は見事にバランスを崩しコンクリートの地面へと鼻から突っ込んだ。
「わちゃー!」
私がバランスが取れないことを知りながら背中を押したこの友人は……西森咲弥(ニシモリ サクヤ)。
男らしい名前だけど、正真正銘の女の子。
そして、そんな咲弥に手を借りてやっと起き上がった私は……愛原夢花(アイハラ ユメカ)。
2人とも『山北高校』という元女子高に通う15歳だ。
「咲弥……」
腰が曲がった状態の私は、咲弥に文句の一つも言い返す元気がない。
それを知っているから、面白がってわざと困らせてくるのだ。
「また、見た?」
「うん……」
咲弥にナマリのように重たかった荷物を持ってもらい、また歩き出す。
ほんの少しだけ、荷物の分だけ歩調は早いが、ヨチヨチ歩きの子供に抜かされた。
「直らないねぇ? 夢花の体質」
「そうだね……」
私の体質。
それは、ある夢を見た翌日こんなにも体が重たくなり、まるでおばあちゃんみたいに老け込んでしまうこと。
どこかで猫の鳴き声がする……。
にゃぁお
どこかで、私を呼んでる……。
「夢ーっ! ゆーめーかーっ!」
自分を呼ぶ声にも反応せず、私は腰を折ってゆっくりゆっくりと歩いていく。
なんでこんなに空が青いんだ。
なんでこんなに学校が遠いんだ。
すべてにイライラするが、それを表情に出す余裕もない。
「おーいってば!!」
後ろからトンッと背中を叩かれた拍子に、私は見事にバランスを崩しコンクリートの地面へと鼻から突っ込んだ。
「わちゃー!」
私がバランスが取れないことを知りながら背中を押したこの友人は……西森咲弥(ニシモリ サクヤ)。
男らしい名前だけど、正真正銘の女の子。
そして、そんな咲弥に手を借りてやっと起き上がった私は……愛原夢花(アイハラ ユメカ)。
2人とも『山北高校』という元女子高に通う15歳だ。
「咲弥……」
腰が曲がった状態の私は、咲弥に文句の一つも言い返す元気がない。
それを知っているから、面白がってわざと困らせてくるのだ。
「また、見た?」
「うん……」
咲弥にナマリのように重たかった荷物を持ってもらい、また歩き出す。
ほんの少しだけ、荷物の分だけ歩調は早いが、ヨチヨチ歩きの子供に抜かされた。
「直らないねぇ? 夢花の体質」
「そうだね……」
私の体質。
それは、ある夢を見た翌日こんなにも体が重たくなり、まるでおばあちゃんみたいに老け込んでしまうこと。