竜二のマンション
(もうすぐ雫ちゃんのバイトが終わる……走って迎えにいこうかな)
竜二は着替えてマンションを出て三沢店へ向かって走っていく
ハア、ハア
「あれ、竜二さん」
「えっ」
竜二は時計を見た
「もう、こんな時間?俺の予定では雫ちゃんの終わる時間に着いて一緒に帰ってくる予定なんだけど」
「九時とっくに過ぎてますよ~(笑)」
結局、雫の自転車の後ろをついて走ってマンションに帰る
「ハアハア、雫ちゃん、先……お風呂いいよ……少し休憩してから入る」
「急にはだめだよ、ゆっくり走ってね。じゃあお先にです」
竜二が浴室から出てきた
「竜二さん、食事は?外で食べたの?」
「いや、まだ」
「お腹減ってたら走れないよ、少しは何か食べないと、帰るの遅い時は無理しないで」
「そうだな、食べる」
「じゃあ私も少し(笑)」
「乾杯~」
「今日、美咲が来てね」
「うん」
「広樹と付き合うんだって」
「広樹さんて身体の大きい人?」
「えっ、自己紹介してないよね?」
「みんなが会話して名前呼んでたら覚えた。名字はわからないけどね。
女の人は美咲さんと綾さん、あとは竜二さんと忍さんはわかるでしょ、広樹さんが身体の大きい人、眼鏡かけてた人が俊さん、髪長めで束ねてたのが貴志さん、少し小柄の人が祐介さん、結婚する人が紀之さんで短髪で角刈りの人が歩さん」
「すげっ!そういう特技もあるんだ」
「特技ではないけど話を聞いてたらわかるよ(笑)」
「広樹が雫ちゃんの料理をよく食べてたから美咲が教えて欲しいって」
「いいけど……」
「試験終わってからにしてって言っといたよ」
「ありがとう」
「そしたら肩書きがつくから待つって(笑)」
「この間も何かいい企画ない?って聞かれた」
「まず、包丁握れって感じだよな」
竜二は寝室に行くと袋を持ってきた
「これ、親父から雫ちゃんへ」
「携帯?」
「うん、今俺と契約会社違うでしょ?」
「うん」
「同じにしてって。いずれ家族になるんだから、それと海外対応になってるからね。兄貴が海外にいるからみんな同じ契約の仕方になってるし携帯は俺も親父がお金は出してくれてる。家族って認めてくれたってことだね」
「いいの?」
「うん、データ移して使うといいよ」
「ありがとう、明日お父様に電話入れる、番号教えてね」
「うん、かけ放題になってるから実家とも話していいからね」
「うん、ありがとう」
「そうだ、一日から舟木の店長がくるから様子見てあげて」
「はい、店長やってたんだからきっと頑張ってたとは思うよ」
「多分な、甘いかなー俺……」
「竜二さんが判断したことだから大丈夫だよ、お酒が減ればまたやる気出てくるよ」
雫のほうから竜二の頬にキスをする
「うん、そうだな」
お返しに雫の唇へキスをしてそのまま寝室に向かった