本社ビル八階
「おかえりなさいませ」
「ただいま」
「社長、コーヒー入れましょうか?」
「頼む」
秘書がコーヒーを持ってやってくる
「先程の女性は部長の彼女さんですか?」
「そうなんだよ」
「社長嬉しそうですね(笑)」
「可愛らしくてね、娘が出来た(笑)」
「お会いになったということは結婚が近いということですか?女子社員が悲しみますが(笑)」
「若いんだよ。まだ大学生らしいから結婚は卒業してからかな?でももう一緒に住んでるらしいからほぼ嫁だな」
「それは公表してよろしい情報ですか?」
「ここに連れて来たってことはいいんじゃないか?受付も通ってるし、隠したかったら家にくるんじゃないかな」
「そうですね、ではさりげなく(笑)でも受付の方がもう広まってるかもですけど」
「二男が先に嫁もらうのか……」
二人は車の中で話していた
「美味しかった~幸せ、お腹も一杯」
「寝ないでよ(笑)」
「お酒呑んでないから大丈夫。お母様のところって竜二さんのお家?」
「いや、今の時間は教室」
「教室?」
MANAKAと書かれた看板が目に入ってきた
車から降りる
「ヨガ?」
「そうヨガを教えてる」
「へぇ意外、社長婦人なのに」
「母さんが好きなことするから兄貴も好きなことやりたいって言い出したんだよ。兄貴は母さんによく似てる」
「お父様に少しだけ聞いた。竜二さんて二男なんだね。お兄様は何をしてるの?」
「通訳で世界を飛び回ってる」
「通訳?素晴らしい仕事」
「まあ、頭は俺より良かったし英語もすぐ話せるようになった。興味があったんだろうね。今は何ヵ国語話せるかわかんないけど結構色々なとこに行ってるみたい」