と、


「あ、う?」


そこには、目を疑う光景があった。


「北条……さん」


ソファで横になった弓長美波。そして……、


「どうした、慌てて」


その上に覆い被さるような姿勢で覗き込む司の姿があった。


「ど、どうしたって、それはこっちのセリフです!」


来夢は部屋へ入ると司をギロリと睨んだ。


「弓長先生には高見沢先生がいるのに、そっちこそ何をしちゃってるんですか!」


ビシッと人差し指を突きつけてやるが、司は動揺した様子など微塵もなくスッとそれを払いのけた。


「弓長はカウンセリング中に貧血で倒れたのでソファに寝かしたところだ。それを言っているなら勘違い甚だしいな」


「え!? そうなんですか?」


「そうなの……実は最近あんまり食べていなくて」
キョトンとする来夢に弓長も肯定する。


「ったく」


今度は司が冷ややかな視線を浴びせるが、


「あ、ええと……ごめんなさい」


来夢は勘違いを謝りながらも、彼の脛をぺしぺしと叩く。


「それで、お前は……」