すっかり暗くなった帰り道。



「今日のダブルデートは、結局成功だったんですか?」


弓長をなんとか振り切って安心したところで、ふと来夢は司に聞いていた。


「目的はなんとか果たせたからな」


「弓長先生、あんなに怒ってましたけど私たちのこと恋人だって信じてくれましたかね」


「なごり発作前の弓長は認めただろう。それに、彼女のなごりの深さも大方把握できた」


「よかった」



並んで歩く二人は、もう手こそ繋いではいなかったが、来夢の手の中には、大丈夫と書かれた小さなお守りがきゅっと握られていた。