「小運のぬいぐるみほどではないが、御利益のあるものだ。今日の記念だ」
「デートの記念……わざわざ買ってきてくれたんですか」
偽りだと分かってはいても、俺様を地でいく司に、手を繋がれたりこんなことをされるとやはり胸がドキドキと鳴り出す。
それが疲れの原因ではあるのだが、来夢は知らず知らず微笑んでいた。
「ありがとうございます」
こうして、初デートは無事終わりをむかえ──るはずだったが、
「こーのー浮気者ー!」
その叫びで一気に現実に引き戻されることとなった。
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