そっと、足音を立てず気配を消してついていく。
少し前を歩く結城智也(ゆうきともや)に気づいた様子はない。彼は振り返ることも立ち止まることもなく、住宅街に延びた小道をたんたんと進んでいく。
学校帰り。陽葵は偶然見かけたクラスメイトの智也の後をついて歩いていた。
なにがしたいのかは自分でもよくわからない。
ただ、付かず離れずで彼の後を歩いているだけ。
確かなのは、陽葵は智也のことが好きだということだ。
好きになったきっかけは単純だった。
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