相変わらずポーカーフェイスの司がどこからともなく現れた。
その傍らには、
「来夢!」
「来夢ちゃん!」
幸運のぬいぐるみを抱えた少女の姿があった。
2人は駆け寄ると、なんだか疲れ果てた様子のその少女、来夢を凝視し、司へとジト目を向けた。
「……おい、俺が来夢になにかしたみたいな目はやめろ」
「してないの?」
「司のことだから、この状況、来夢ちゃんになにか無理をさせたんじゃないの?」
「私たちにしたみたいに超ドSにね!」
「アホゥか……ぬいぐるみに来夢が祈った結果だ」
「来夢のおかげで運が舞い降りて清姫の嫉妬からみんなを解放したってこと?」
「なんて祈ったんだい、来夢ちゃん?」
「え!? ……ええと」
これまで俯いていた来夢だが、蒼士に問われると、急に顔を赤くして明後日の方を向く。
「あれ? どうしたのかな」
「少なくとも、大丈夫そうではあるわね」
2人が注目すると、来夢はそろそろと司の後ろへと隠れる。
「ったく……」
司は首根っこを掴むと来夢を2人の前へ突き出した。
「説明してやれ」
「あ、あたしがですか!」