小さい時から、気づけば隣で笑っていてくれた彼女。

大学の時、とても傷つけてしまった彼女。

ずっと自分一人を求め続けてくれた彼女。

大人になりやっと恋人になれた彼女。

負外ない自分のせいで、ずっと待たせてしまった彼女。

そんな彼女、美波に高見沢はまだ言っていない一言があった。
何度も言おうと試みたが、恥ずかしくて言えなかった一言。

もう死ぬんだ。そう思ったら、伝えたい気持ちが初めて弱い自分に勝っていた。


「み、な、み……──愛してる」


「──!?」


ガクン! 


突然、体に衝撃が走った。


朦朧とした高見沢にはなにが起こったのかはわからなかったが、最後の意識はもう一度その言葉を発していた。


「──ずっと、愛してた」