が、肩へ手を伸ばしかけた丁度そこへ、
「司さーん!」
「うわっ!?」
司を求め体育館を走り回っていた来夢が激突。
というより、勢いよく蒼士をはね飛ばしていった。
来夢はそのまま体育館から出て行ってしまうが、蒼士は、
「うわああぁっ!」
「え!?」
振り返る途中の女子を巻き込み床へダイブしていた。
「痛たたたた……ええと、大丈夫?」
押し倒す形となってしまった女子生徒に声をかけるが、
「……」
彼女は至近距離にある蒼士の顔をポカンと見つめていた。
「ごめん。頭でも打ったかな」
「……」
「う~ん、びっくりした?」
そこでようやく、彼女はコクンと小さく頷く。
「どこか痛む?」
相変わらずまっすぐにこちらを見つめたままだが、この問いには首を横に振る。
「僕は藤原蒼士。警察官やってます。それでいろいろと聞きたいんだけどいいかな」
警察手帳を取り出すと、ようやく女子生徒は我に帰ったようにハッとする。