人が変わったように態度を豹変させた。


「どうして? 私じゃダメなの? 私がストーカー女だから? そんなに来夢がいいの?」


「なにを言ってるんだよ。北条のことは陽葵がカワイイのに彼氏がいないって話をしたから、納得しただけで──」


「カワイイってはっきり言ったじゃない! それに本当は性格も良いからみんなに誤解されてるのはもったいないって!」


「そのぐらいは普通言うだろ。どうしちゃったんだよ陽葵」


「陽葵ちゃん……」


顔を覆って泣き出す陽葵にたまらず、来夢が手を伸ばすが、


「触らないでよ! 来夢! あなたも実は智也がスキなんでしょ」


「そんな! なにを言ってるんですか陽葵ちゃん。あたしは──」


「あたしは? なぁに?」


いつの間にそこにいたのか。

来夢の背後には、目の虚ろな弓長が立っていた。


「北条さん、自分に素直になりなさい。あなたもみんなと同じようにあるんでしょ。心の中の、熱い想い」


「あたしは……」


来夢は何かを言い掛けたが、それを遮るように弓長は彼女を抱きしめていた。


「私、気づいたの。この胸の奥から沸き上がるドロドロとした熱いものは誰もが持っているんだって。それなのにみんな我慢しているのよね──だからね」


「あっ──、痛、いです」