あやかしが人間と共に共生している日本。
人ならざる者が持つ、美しさと、能力により絶大な権力を持つようになったあやかし達。
そんなあやかしに選ばれる花嫁は名誉であった。
柚子は妖狐の花嫁に選ばれた妹を持つ。
両親はいつでも妹の花梨を優先して柚子をないがしろにする。両親から愛されたいと願うけれど、いつだって優先されるのは妹。そのせいか我が儘に育った妹にも下に見られる柚子だが、姉だからと我慢し続けた。
けれど、ある日の兄弟喧嘩で今まで溜まった我慢が爆発する。
それでもなお花梨の肩を持つ両親に絶望し、家を飛び出した柚子の前に現れたのは、あやかしの中で最も強く美しいとされる鬼のあやかし、玲夜。玲夜は柚子を花嫁と呼んだ。
愛される事を渇望する柚子は、自分を花嫁に望む玲夜に光を見いだす。
玲夜によって柚子は家族と決別を選び、新たな生活を始める。