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 鬼龍院家へ行く前に、祖父母を家まで送った。


 柚子が荷造りをしていた間に、祖父と玲夜の間で柚子について話がされていたようだ。

 祖父母の養子となったが、これから柚子は鬼龍院の家で生活する。
 柚子の身の回りのことは全て玲夜が用意する。
 けれど、祖父母との付き合いについて玲夜が強制するようなことは何もなく、会いたい時に会えば良いという事だ。


「柚子、鬼龍院さんと仲良くね」

「またいつでも遊びにおいで」

「うん、またね」


 祖父母と一時の別れをし、柚子は玲夜と共に鬼龍院の家へ。


 厳かな門構えが柚子を迎え入れる。

 一日で大きく変わってしまった柚子の生活。
 期待と不安で心が落ち着かない。
 そんな柚子に玲夜が優しい笑顔で手を差し出す。


「ようこそ柚子。俺の花嫁」

「これから、よろしくお願いします!」



 これから柚子の新しい生活が始まる。