突然入ってきた人外の美しさを持つ玲夜に、両親と花梨に祖父母は時が止まったように目が釘付けとなる。
しかし、瑶太だけは驚愕した顔をした。
「あなた様が何故ここに」
玲夜は一瞥しただけでその言葉に答えることなく、後ろから入ってきた弁護士に指示を出す。
「始めろ」
「かしこまりました」
弁護士は両親と祖父母の間に入り、それぞれに名刺を渡していく。
「私、鬼龍院専属の弁護士をしている者です」
「鬼龍院!?鬼龍院ってあの?」
両親は驚いたが、祖父母はあらかじめ今回の話を鬼龍院家から聞いていたからか驚いた様子はない。
「本日は柚子様の養子縁組に関しまして、了承と手続きのためのサインをいただきに参りました」
「養子縁組!?」
両親にとっては寝耳に水だろう。
「そうだ。もうお前達に柚子を任せておくわけにはいかん!柚子は俺達が引き取る」
「何言ってるんだ、親父!そんな事を勝手に」
「こうでもしなきゃ、柚子はこの家では幸せになれん!お前達ときたら花梨の事ばかりで柚子をないがしろにしてばかりだろう」
「そんな事ありませんよ。ただ、花梨は特別な子だから、花梨を優先するのは当たり前の事で」
「お前達はそればっかりだ。花嫁だから!?
それがどうした!それが理由になるとでも思ったか!!」