「姫……。
何を言ってるの?」

「親しくしたらダメだと思った。だから、わざと友達を作らないできた。そんな私に…彼氏が居ると思う?」

「姫…」

「お母さん……。どうしてお父さんと結婚したの? あやかしだよ? おでこに目があるんだよ? なのに……」

「姫……。
お母さんがお父さんと結婚しなければ良かったと思ってるの?」

「思いたくないけど……。
親しくしたいと思っても出来ない時……。
自分のおでこの目を見た時……。
思ってしまうの……」

「お姫様……」

男性の声。

「あなた……」

「お父さん……」

スーツ姿のあやかしのお父さんが悲しそうな顔で私を見ていました。