「知り合いだけど、私は居ないって言ってくれないかな…」

「分かった…」

お母さんはそう言って、私の部屋のドアを閉めました。

私はイスから立ち上がると、ドアに向かって歩いていき、ドアを開けます。

「…ごめんなさい。まだ姫は帰って来てないの…」

〈そうですか……。
あの、帰ってきたら、目白日向が公園で待ってると、姫華に伝えてもらえますか?〉

「公園って、どこの公園かしら?
この辺には3つあるんだけど」

〈公園と言えば分かります〉

「…分かったわ。
伝えておきます」

〈お願いします〉

インターホンでの目白さんとの会話が終わると、お母さんはドアから覗いていた私を見つける。

「伝わった?」