「それより…」

目白さんの左手が私の右手を掴み、

「こうしてた方が、赤みがひくかも」

赤く腫れている左頬の上にかぶせる。


そして、目白さんは目を閉じました。

「目白?」

その声に、私は目白さんに掴まれていた右手を急いで引っ込めました。

「目白くんだ。おはよう」

「おー。目白」

「おはよう」

目白くんが笑顔で挨拶している。

「先に行きます」

私は目白さんにそう言うと、早足で歩き出す。

「姫華!」

「目白。一緒に行こうぜ」

「行こう、行こう」

「目白。グラビアアイドルの写真集はいつくれるんだ?」


目白さんの居場所は、あの人達の所です。

人間の所です。

目白さんの居場所は、私の所じゃありません。

半分人間、半分あやかしの所じゃありません。