「おはよう。姫華」

朝、学校に向かって下を向いて歩いていると、右側から声をかけられました。

ガードレールの上に座っている目白さんです。

「おはようございます」

立ち止まって、目白さんに挨拶した後。

私はすぐに目白さんに両手首を掴まれ、目白さんの方に引き寄せられる。

私の背後に自転車が通過していくのが分かりました。

「危ないな……」

目白さんが掴んだ私の両手首を離す。

「大丈夫?
姫華……」

私は目白さんの左頬に少しかかっていた髪を、右手でどかして見る。

「左頬。赤くないですか?」