「形は悪いけどね、美味しいよ」

あやかしに食べさせるためのおにぎりらしい。

普段、じいちゃんの食事を用意しているのは私だ。
そのため、じいちゃんはあまり料理が得意ではない。
このおにぎりも、あまり食欲がそそられるような見た目ではないものの、よほどお腹が空いていたらしいあやかしは、目の前に置かれたおにぎりにがっついた。


「美味い!」

どうやら、その味はあやかしのお気に召したらしい。