「無期限という訳ではないよ。葵が、自分の身を自分で護れる術を身に付けるまででいい。
その間は、この家でいくらでも過ごしてくれて構わないし、ご飯も毎日作るよ。葵が」

「ちょっと、じいちゃん!」


勝手に話を進めようとしないで! と私は割って入った。


東和に付きっきりで護られるって何⁉︎
大体、東和だってあやかしだし!


……あ、でもさっきは確かに助けてくれたか……。


しかし東和は、

「じいちゃん。悪いが、その依頼は聞けねえ」

と、じいちゃんの提案を断るのだった。



「そうかい……。一応、断る理由を聞いてもいいかい?」

じいちゃんがそう尋ねると、東和は真剣な表情で、そしてはっきりとした口調で、



「俺は、これ以上葵と一緒にいたら、葵のことを好きになってしまいそうだからだ」



とんでもないことを真顔で宣言した。


じいちゃんに何てこと言うんだ!