その後、じいちゃんを呼んできて、判断をじいちゃんに任せることにした。


すると、なんと。とりあえず拝殿の方まで運ぶと言うのだ。


今年七十一歳になるじいちゃんでは、身長も体重も人間の男性並みにありそうなこのあやかしを担ぐことは出来ず、私とじいちゃんと二人がかりでずるずると引きずっていくことになった。


何で私がこんなことをしなくてはいけない!



鳥居を潜り、拝殿まで運ぶと、あやかしは「じいさん、腹が減った」と、再び空腹を訴える。

それならばと、再びあやかしを担ぎ、社務所まで連れていった。
八畳一間の、普段は客室用に使っている部屋にあやかしを座らせる。


「ちょっと待っていなさい」と言って、社務所内の簡易キッチンへ向かったじいちゃんは、いびつに握られたおにぎりが乗った皿を持って、部屋へ戻ってきた。