「ああ……お帰り。葵」

テーブルの上に湯呑みを置き、私に笑いかける東和だが……東和も東和で、何だか気まずそうな表情を浮かべている。



「出て行ったんじゃなかったの⁉︎ どういうこと⁉︎」


もちろん、迷惑だとか拒絶しているだとか、そういう訳では一切ない。
一切ないのだけれど、再びここにいる理由はさすがに知りたい。



「おお、葵。お帰り」

私の声を聞きつけたのか、じいちゃんが廊下から座敷に入ってくる。


「じいちゃん! と、東和が! 出て行ったはずなのにまた戻ってきてるんだけど!」

「こら葵。指を指すんじゃないよ。東和君は、とても大事なことを知らせるために戻ってきてくれたのだから」