ようやく涙が一旦おさまった私は、よろよろと自宅へと向かう。

犬と猫のあやかしはさっきと変わらずに鳥居の前に集っていて、いつも通りその鳥居を抜け、拝殿の前を通り過ぎて自宅へ入る。



しかし。

玄関の正面にあるお座敷の襖を開けた私は、泣き腫らした目を限界まで見開いて、そして叫ぶ。



「何でいるの⁉︎」



何と……そこには、この神社を去っていったはずの東和が、呑気にお茶を飲んでいたのだ。