その後、東和は再び私を抱え、地上へふわりと降り立つ。


東和に身体をおろされ、自分の両足で地面にしっかりと着地すると、本来なら当たり前のその感覚に心底安心した。


そして、ふと気が付く。

目の前には、見慣れた道路や民家が並び、道路には車も走っている。
あの化け物が消えたから、幻影も同時に消えたのだろう。



「青坊主、だっけ……。何で、急にあんな化け物が現れたんだろう……」

そう問い掛けると、東和は右手を顎に持っていき、考え込む。



「土地や地形的には、青坊主が現れても確かにおかしくはないんだが……今まで一度も姿を見せなかったのに突然出てきたとなると、もしかしたらーー」

「もしかしたら?」

「……ああ、いや。とにかく、俺は今度こそこの神社を出る」