名前を呼んでも、返事はない。 「東和、東和!」 それでも呼んでしまう。繰り返し、何度も。 ……嫌だ。 こんな別れ方は嫌だ。 「……東和!」 私はその場を駆け出し、どこに消えたのかも分からない東和を求めて追い掛けた。