「おいおい、葵。どうかしたか?」

竹ぼうきを手に持って、東和が追い掛けてくる。
鬱陶しい。ついてこないでほしい。掃除をしていてくれ。


「放っといてよ」

「そうはいかない。あのじいさんから頼まれているんだ。葵は友達がいないから、葵が何かに悩んでいたら話を聞いてあげてやれって」

「は、はあ⁉︎」

余計なお世話すぎることを言われ、顔がカァッと熱くなる。

ていうかじいちゃん、あやかしのこいつなんかにそんなこと言ったの⁉︎

こいつもこいつよ。そんな言い方されて、はいそうなんですって頷く訳ないでしょ⁉︎
本当にイライラする!