「それで、彼はどうなりますの?」
「うん?好きにしたらいいよ。君にあげよう。」
旦那様はそうおっしゃってくれた。それなら、彼のことについては安心ね。斬首とかにされなくてよかったわ…。
「斬首とかにならなくてよかったね。」
ほんとにね!するつもりやったんかい!
「それで、その…。」
旦那様はなんだか申し訳なさそうだ。何かしてしまったのだろうか?
「君、誕生日なの?今日?」
「はい。」
私はお茶をすすりながら答えた。もしかして、ポカーンてしてたの、それ?
「教えてよ!」
「も、申し訳ありません…。」
旦那様は私の腕をがっしり掴んで離さない。
「誕生日なんかに、君をさらわせてしまうなんて…本当にごめん!」
旦那様は土下座せんばかりの勢いで謝ってきた。旦那様は何も悪くないのに、どうして謝っているのだろうか?
旦那様の頭に手を伸ばし、ゆっくりの撫でる。何を謝っているのかは知らないが、こうすれば落ち着くだろうと思ったのだ。旦那様が私をみた時には、旦那様の頬は少し赤くなっていた。可愛らしい。
「ごめんね、ほんとに…。」
旦那様はそれでも謝っていた。
「謝らなくていいんですよ。旦那様は悪くないんですから。」
私は旦那様の頭を撫で続けた。