その後も順調に勝ちを重ねた俺たちは、ついに決勝進出を決めた。


「只今から、男子団体決勝戦を始めます。赤・私立桜花大附属第一高等学校、白・県立豊橋中央高等学校」

アナウンスとともに、アリーナの空気がボワっと大きく熱せられた感じがした。
準決勝までとは明らかに違う、独特な張りつめた空気が漂う。

先鋒の横井先輩、次鋒の野嶋先輩は共に一本勝ち。武内先輩は引き分けた。
3人終えて2対0。
剣斗が引き分け以上で優勝だ。

剣斗は出ばなを挫かれてメンを取られたものの、冷静にコテを取って追いついた。

そしてそのまま時間切れ。

俺たち中央高校は、県大会優勝と共に、東海大会の切符を手にした。

ーー表彰式。

野嶋先輩が、賞状と優勝杯を受け取る。
5人で回れ右をして、一礼すると、会場から割れんばかりの拍手を贈られた。
顔を上げる。
その先には、涙を流して喜ぶ、美緒がいた。