胸にポッカリとあいた穴が、ズキズキとひどく痛む。


家まで走って帰った私は、ただいまも言わずに自分の部屋に鍵をかけた。


ベッドの上で両膝を抱え、しゃくり上げる。


誠先輩を、突き飛ばしてしまった。


それなのに、、まだすぐるが頭の中を占領していることで、涙が出る。


まだ、好きなの?


誠先輩よりも、あんなヤツを好きなの?


自分にそう聞いてみる。


答えは……イエス。


そんなの、聞かなくてもわかっていたことだ。


「もう……やだ」

その上、先輩の優しい気持ちに甘えるだけ甘えた。


親友の……律の好きな人を好きでもないのに奪い取った。


最低だ。


最低だ!


最低だ!!


クッションに顔をうずめ、「わぁぁぁぁ!!」と大声を上げる。


小学生のように、嗚咽を漏らしながら泣いた。


私はこれから……どうすればいいの?