後ろからは、大型のトラックが走ってきている。
このままじゃ、あの子、引かれちゃう!
ど、どうしよう!?
すると、隣にいた美菜子が、男の子に向かって走り出した。
「美菜子!?」
私の声を無視して、脇にあったガードレールを飛び越え、車道を走る。
美菜子は、男の子のところまで行って、かがみ込んだ。
その様子はまるで、後ろから来るトラックになんか気づいていないようだった。
ヤバい!
私は美菜子の元へ走った。
「美菜子、後ろ!逃げて!」
美菜子は、私の方を見て、きょとんとしている。
トラックは、すぐそこまで近づいてきていた。
間に合わない、このままじゃ、美菜子と男の子が!
私はギュンッと加速し、美菜子の方へ走った。
この時タイム測ってたら、史上最速だったと思う。
私は、美菜子と男の子を思いっ切り突き飛ばした。
「凛ちゃん…?」
美菜子がびっくりした顔でこちらを見ていた。
私は、ふっと微笑んだ。
直後、激しい衝撃を感じ、ぎゅっと目を閉じた。