魂の転落





雲と雲と雲と雲との戦乱のまっただなかに電信柱



一日は毎日あるが去り際の太陽が照らし出す雲の群れ



風景を見てるつもりの女生徒と風景であるオレの目が合う



ほとんどの家に入れずほとんどの人にはオレがただのよそもの



君らのはケンソンだろうオレの場合ほんとにダメなんだよ近寄るな



体型のことを言われてひっこめる腹のそれほどでもない動き



鏡には日毎に老いてゆくオレを見つめる目やにのついているオレ



ぼくは衣車、汽車なんだぞー! と駆けてきた子供がオレにぶつかって泣く



「魂の転落」とでも題すべき雲を含んで空暮れてゆく



見とれてた空もいよいよ暗くなり妖しいものの立つ気配する