開店前のBARに二人の唇を重ねる音だけが嫌らしく響く。

特に拒む理由もないので、万由香はその細い腕をきゅっと結人の首に絡ませた。

それを合図に結人が万由香の薄紫のカットソーの裾から手を入れた時ーーー

BARの入り口が開く。

「さすが、現役の男子高生はいつ何時もがっつくねぇ。」

声の主、秋川秀(あきかわすぐる)が入ってきた。