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その後、また頼りない光の中ブレーカーを元に戻した俺たちは、神崎の部屋へと戻った。


途中、家政婦さんが寝ている部屋を確認したが、起き出したような形跡もなく、計画は上手くいったと言ってよさそうだった。


神崎は自分のベッドに横になり、俺はその下に敷いてもらった布団にもぐりこむ。


もう朝が近い時間なはずなのに、眠気はない。


脳は覚醒状態のままを保ち、目を閉じても自然と開いてしまう。


仰向けになったまま、無理に寝ようとせずに天井を見つめる。


暗闇の中に薄明かりが差し込んできて、太陽の目覚めが部屋を色付けしていく。


いつの間にかベッドの上の神崎は寝息を立てていて、俺はその呑気さに関心する。


「自分の親の秘密を見といてよく寝れるな」


残念ながら、俺はそこまで鈍感な精神の持ち主ではない。


面識がないとは言え、友達の親の秘密を知ってしまったのだ。


その秘密に触れてしまった罪悪感や、正反対の優越感に似た感情なんかで、どんどん目が覚めていく。


どうやら、今日は一睡もできそうにないみたいだった……。