しばらくその光景を唖然として見つめていた神崎だが、思い切ったように一つのダンボールへと手を伸ばした。


とても一人では抱えられない大きさなので、懐中電灯を床に置き、それを手伝う。


見た目よりも軽かったので、一人で持つことは充分可能だったけれど。


床に置いていた懐中電灯を手に取り、そのダンボールへ光を当てる。


幸い、ダンボールは蓋同士折り込まれていただけでガムテープなどは貼っていない。


ダンボールを挟んで両側に座り込む。


神崎は一つ呼吸を置き、その蓋を開けた……。


「……あ?」


中身を確認したはずの神崎が、怪訝そうな声を上げる。


「どうした?」


「これ……」


箱の中の一つを取り出し、光の当たる場所へ持っていく。


「なっ……!」


それ以上声が出ない。


驚きすぎて、思考回路が麻痺してしまう。


体中の血液が活発に動き始め、体温が急激に上昇する。


ピッキングをしていたときとは違う汗が噴出す、


「こんなものばっかだぞ」


すでに、半場呆れたような口調になった神崎が、次々と中の物を取り出す。


「か、か、神崎!」


床の上に散らばっていく物たちを見ないようにしながら、その手を止める。


「どうした?」


「そのっ……あの……。秘密は、もうわかったろ? もう、いいだろ?」